モンスターメーカー・オンラインTRPG特設 /クエスト004 洞窟の中心で愛を叫んだもの
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クエスト004 洞窟の中心で愛を叫んだもの

柴崎@銀河企画


ルフィールは、藍竜ミザクオンにテレパスで次のことを伝えた。
クルガンが洞窟から出てきたら、サザーロの名前で呼び、
その場に立ち止まって何もしないように言い、必要であれば、
付き人も従わせるように、と。

リンク、ルフィーア、そしてロリエーンは、
東の洞窟(第1話)でバルサレウスの会話を聞いている。
バルサレウスは、ヒューマン語で話した。
藍竜ミザクオンも、クリール村で生活をしたので、
かなりのヒューマン語を理解し、話すことができる。

グリンとディアーネは、石像を壊す態勢をとっていたので、
もし、術が解かれたなら、すぐにでも石像にラッシュするつもりでいる。

クルガンは、奥の部屋の扉を開いたまま、
そこから出口へと延びる通路の途中で立ち止まった。
このあたりで、魔法を詠唱し、洞窟の奥の天井を圧潰するつもりだ。

クルガン「
 ガーラよ。これであの冒険者たちともお別れだな。
 好敵手で勘のいい連中だったが、秘密を知られてしまったので、
 仕方ないのだよ。 」

ガーラは、自分のガーターリングに装着したナイフの存在を手で確かめた。

だが、ガーラは、ナイフを抜かずに言った。

ガーラ「
 クルガン。
 もう諍いはやめて、私と一緒にどこか遠くへ行きましょう。
 そのかわり、冒険者は助けてあげて。 」

クルガンは、驚いた。
ガーラが自分の術に落ちていると信じていたので、
まさかしゃべるとは思わなかったからだ。


しかし、言われたことを頭のなかで反芻して、もう一度、驚いた。

クルガン(
 ガーラは、自分をスペルネームで呼ばなかった。
 この石像がしゃべったスペルネームを確かに聞いているはずだ。
 ならば、私に命令したければ、それを使えば良いではないか。
 ガーラが言ったことは、ひとりの人間としての願いということか )

ガーラ「
 その石像も壊して欲しいの。
 そうすれば、あなたの魔術師としての能力は薄れていく。
 あなたが魔術師でなくなれば、スペルネームの呪縛もなくなる。
 そして、不安に悩まされる日々にも終わりを告げられるわ。 」

クルガンは、これまでのディスボールとの誓いが悪い夢に思えてきた。

クルガン「
 そうだな、ガーラ。
 先ほど私が言ったことは間違っていた。
 たとえスペルネームで言われなくとも、
 これまで、おまえの望むことを私は何でもやってあげた。
 これからは、二人で困難を乗り越えていくと約束するよ。 」

ガーラ「
 では、石像を冒険者に渡して。
 それから、冒険者に掛かっている魔法を解いてちょうだい。
 彼らがそれを壊してくれるわ。 」

クルガンが、ガーラを腕からおろして、扉の前まで戻ると、
クルガンは、石像を床に置いた。
先にガーラが冒険者たちに言った。

ガーラ「
 最初に、石像にまつわる事件に皆さんをこういう形で
 巻き込んでしまったことを心からお詫びします。
 そして、これを平和裡に解決するためにお願いがあります。
 いまからクルガンが術を解きますので、その石像を壊してください。
 そうすれば、ディスボールは拠り所を失って、
 力を出せなくなります。
 それから、わたしたちは、どこか遠い所に行くので、
 探さないでほしいの。 」

クルガンは冒険者に掛かっている術を解いた。

クルガン(
 しかし、ガーラはどうやって術を解いたのだろう。
 ガーラはディスボールと契約をしようとしたのではないか。
 もしそうなら、この状況ではガーラが危ない。 )

冒険者たちが術から解けて、筋力が次第に回復しつつあったとき、
皆が見ている前で石像は膨張を始めた。
そしてこう言った。

「  ガーラよ。 わかっているな、自分がしたことを。 」

そういうと、石像は、ガーラに向けて「地獄の業火(ヘルファイアー)」を吐きかけた。
ガーラは、防御の魔法で食い止めようとしたが、
石像の炎のほうが強かった。
ガーラの踊り子の服が次第に焼かれていく。
ルフィールが水の魔法でこれを消そうとした。
ロリエーンは、膨張した石像に向かって矢を放ったが効き目がない。
タムローンの剣は、石像に対して空を切った。
ルフィーアは火の魔法を使おうと考えたが、相手が炎の属性なら
たぶん無意味だろうと思った。
クルガンは巨大化した石像の前に出てガーラの楯となった。
石像は、そのクルガンに向けて再び地獄の業火を吐きかけた。
クルガンは言った。

「  今まで信じてきた神のすることが、これなのか。 」

ルフィールは、再度、水の魔法をクルガンに使った。
が、もはや炎の勢いを止めることはできなかった。

クルガンは、自分が持てる最大限の魔力を使って石像に攻撃を試みた。
だが、石像はダメージを受けていないようだ。

石像は、三度目の業火をクルガンに向けて吐いた。
クルガンの全身が灼熱の炎に包まれた。
クルガンの仮面が剥がれ落ちて、優しそうな青年の顔が現れた。

「 ガーラ。生涯で私が愛したのは、おまえただ一人だ。 」

ハッタタスは、ガーラを安全な場所へ移動した。
ガーラはメアリが手当てをしている。
リンクは、巨大化した石像が幻影だという可能性に気付いた。
確かに巨大化した石像は幻影だったが、そこから生まれた業火は、
炎としての実体があった。
リンクは、幻影を解除する魔法を唱えた。
膨張した石像の姿が薄れ、床には元の大きさの石像がほのかに現れた。
ロックスがその位置を槍の穂先で指し示した。
そこへ、ディアーネが斧を、グリンが棍棒を、それぞれ振り下ろした。

石像は粉々に砕け散った。
そして、幻影は消滅し、
石像に憑依していたディスボールの精神は、どこかに去っていった。

残ったのは、魔道士クルガンの遺体だった。

ガーラ「
 可哀想なクルガン。
 わたしを命がけで守ってくれた人。
 いつか転生した未来で一緒になれることを願うわ。 」

入ってきたクルガンの付き人にガーラが事情を説明した。
ガーラは、教団にも何度か行ったことがあるらしい。
もはや、教祖のクルガンがディスボールにやられた以上、
ディスボールの信仰を続ける者もいないだろう。
クルガンの遺体は、付き人たちに引き取られることになった。
冒険者から預かった武具も返却するという。

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20081113032747

残念ですっ。

かざもりはや<


うわー。
後味の悪いことになってしまったなぁ。
強引に突出してでも、クルガンを支配してしまえば良かったかな?
この結末は…結局、ガーラが願ったものとはかけ離れているのだろうと思います。
しかし最後まで躊躇したのはガーラですし、彼女の煮え切らない態度ががこの事態を
招いた、とも、言えなくも無いと思います。結局どうしたかったのでしょうか。
迷いもあったのでしょうが、最初からクルガンの事を、憶測でも知る限りの事を
話してくていたら。
我々の立ち回り方が悪かった、とするなら、そもそも我々を雇って巻き込んだのは
ガーラ本人ですし。
そうそう、彼女の依頼はあくまで「石像を壊すこと」。
一応、依頼は果たしたことになる筈ですね。
こちらは一回全滅させられていますし、最後の最後でも何も出来ないまま、
実質敗北したようなものですし、あまりガーラに同情的にはなれません。
それでも、最後はクルガンが邪神から開放されて、無事に生き延びる事を目指して
行動したつもりなのですが。
…せいぜいちょっと苛めて、ベング高原に闇の魔の手が広がる事態を阻止する、
そんなくらいで…

さて。
クルガン亡き今、教団はどうなって行くのでしょうか。
ディスボール神がクルガンを裏切った事を信じない幹部が出たりしたらコトですが…
多分それほど組織化されていた訳でもない、ワンマンな教祖様だったのでしょうが、
それだけにクルガンは、権力と財産を持っていた筈。
彼の支配体制が瓦解しても、混乱が起こるとは、あまり思わないのですが、
権力と財産を狙うものが居たら困るので、出来たらガーラに抑えて貰いたいのですが。
教団を率いて欲しいというのではなく、その解体を主導して欲しいのです。
クルガンを失って辛い所でしょうが、忙しいほうが気が紛れるということもあるかと。
…むしろ、彼女が教団の最後に関わることで、クルガンを弔うことになれば、と…

20081113164542

間に合わなかったの

ラセン


ルフィール「ゔぅ…ひっくひっく、ガーラさん、大丈夫…グルガン…さん…ひっく、ゔぅぅ…」
グリン「泣くない、ルフィール、出来る事、した」

無念です。相手が必ず最後に道連れをつくるとわかっていたのに防げない無力。雰囲気を悪くしてまで救けたいと願っていたのに。すみません皆さんGM。

せめてガーラさん位美しい花を墓前に飾りたい。

もう一度過ちを繰り返すその魂にせめて束の間の安らぎを。

20081113174318

クルガンの正義

暁の旅人


ガーラさんは人を傷つけないことをつらぬいたし、
最後にかいまみたクルガンの正義も良かった

20081115025035

水の魔法だったら……

珠薬缶


ルフィーア
「相手が炎の属性じゃなかったら……。
 あっ、攻撃じゃなくて防御魔法かければよかったのかなぁ……?」


まさか、こんな展開になるとは……。