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クエスト004 竜と共鳴する魔導器
柴崎＠銀河企画
ハッタタスの秘密文書のひとつ「パープレクサの取引」には、
序文として、次のようなことが書かれていた。
『 このたび、モンドール研究所では、ドラゴンの意識と共鳴をする
魔導器を開発しました。これを使えば、あたかもドラゴンライダー
のように、ドラゴンと心の会話をすることができ、更には五感を
共有することもできます。また、そうやって十分に意思疎通が
できるようになった後は、ドラゴンに指令を与えることもできます。
私たちは、世界の平和を願ってこれを研究しました。
皆様が、この成果を活用して、ますます世界が平和になりますことを、
心から願うとともに、こうしてお役に立てることを誇りに思います。
モンドール魔法科学研究所長 モンドール
』
更に、取引の方法として、次のことが書かれていた。
『 この特性を備えた魔導器をパープレクサと呼びます。
パープレクサは、剣や杖のような細長い形のものに実装できますので、
お客様の職業にあわせて、形をあつらえることができます。
なお、パープレクサによって操ることのできるドラゴンは、
パープレクサ１本につきドラゴン１体に限ります。
これは、ドラゴンの出す脳波が個体によってそれぞれ違うからです。
このため、お客様がご注文されるときに、一度、当研究所から派遣
された所員を、お客様が会話をしようとするドラゴンに会わせて
いただく必要がございます。この手続きが完了後、１か月程度の
お時間を頂くことで、そのドラゴン専用のパープレクサをお届けする
ことができます。
ご注文の際は、闇印良品を取り扱っておりますギルドにお話をされるか、
または、ブルガンディ島にございますモンドール研究所支部を
お訪ねください。
』
冒険者たちは、この情報で実際に商談をおこなった人がいるのだろうかと、
思いを巡らせた。グリモワは、戦争の道具としてパープレクサを使おうと
考えた一人であろうし、グリモワが考えたくらいだから、ヒューマンや
他の種族の者も、考えることがあるに違いない、と思った。
かつて冒険者たちは、
ブルガンディ東の洞窟のなかでオーク軍と戦闘になった。
そのとき、冒険者たちの味方をしてくれたドローネが持っていたのは、
他ならぬ魔剣パープレクサだった。
（回想）
オーク軍副将のグリモワに命じられて、オーク槍兵がドローネを取り囲んだ。
ウルチとドローネは、槍兵との間で激しい戦闘になった。
善戦するも、ドローネは、オーク槍兵の槍で刺されて負傷した。
ドローネは魔剣パープレクサを床に落とした。
ロリエーンの狙い澄ました矢がグリモワに命中してグリモワは負傷した。
グリモワ「ううっ、その剣を俺に渡せ。
これが噂に聞くドラゴンを操る魔剣だな」
グリモワが鞘から剣を抜くと、両刃が緑色に輝いた。
そこで、剣に向かって念じた。
（よし、バルサレウス。この冒険者たちを丸焼きにするのだ）
バルサレウスは、ゆっくりと冒険者のほうを向いた。
バルサレウスは、大きく息を吸い込んだ。
ウルチは棍棒を振り回しながらドローネを守った。
その間に、リンクはドローネを治療した。
そのとき突然、グリモワが倒れた。
グリモワは魔剣を握ったまま泡を吹いて悶えている。
ドローネ「あの剣は、ドラゴンとの心の絆を魔法で実現させるために
モンドールの研究所が開発したものよ。
でも、その効果が発揮されるには、お互いを理解し合う心が必要なの。
無理なことを命じたりして気持ちにずれが起これば、
反作用で剣を持つ者の頭が混乱するわ」
オーク軍・隊長のグラエフは、
もとより副官グリモワのやることには疑問を持っていたので、
事態を収拾するために、こう言った。
「その剣はわしが預かろう。バルサレウスと話し合いたい。
冒険者には休戦を申し入れる」
オーク達が武器を置くのを見て、冒険者たちも武器を収め詠唱を中断した。
バルサレウスは、安堵の溜息をついた。炎は出なかった。
グラエフは、床に置かれた剣の柄(つか)に手を当てると、
バルサレウスと心が同調するのが分かった。
そして、すぐに冒険者たちを呼んだ。
冒険者たちも柄に手を触れた。
すると、バルサレウスの想い出が、まるで走馬灯のように意識に流れ込んできた。
（のちにドラゴンライダーとなるヒューマンとの出逢い、
食べさせてもらった肉の美味しかったこと、
自分でも驚くほど速く体が成長していく日々、
初めて火を吹いたときの照れくささ、
苦楽を共にした戦闘訓練、
ドラゴンたちで一緒に大陸の各地を翔び回った休暇、
南の島での恋、そして告白、
突然に戦争が始まって召集されたこと、
オーク軍との決戦、戦いでの負傷、
かばおうとしたドラゴンライダーの死、…
そして、内臓にある深い傷の痛み）
バルサレウスは、自分の命が尽きようとしているのを感じていた。
冒険者たちにも、心の絆を通してそのことが分かった。
グラエフは、魔剣を鞘に収め、バルサレウスの前に置いてから言った。
「もう争うつもりは無い。今回の愚行を許してくれ」
バルサレウス「過去のことは水に流そう。では、今から友達だな」
こうして、オークとの和平が成立した。
冒険者とオークは、テーブルを囲んでバルサレウスと語らいのひと時を過ごした。
イラスト：まるいちまあく
ドローネが、地酒をオークたちにふるまうと、場は盛り上がった。
バルサレウス「ところで、私は生まれ変ったら次はどの種族になるのかな」
グラエフ「来世のことは誰にも分らんよ。
しかし、どの種族であっても安心して暮らせる世の中になるといいな」
バルサレウスは、卵を一つひとつ見つめた。
「わたしの子をよろしくたのむ。ピタヤケーキはおいしかったよ、ありがとう」
そう言うと、バルサレウスは目を閉じて永い眠りについた。
その表情は、竜の威厳に満ち、それでいて幸せそうだった。
（回想終）
あのときの卵は、現在、冒険者たちの大切な伴侶として成長している。
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→ クエスト004 ディスボール神の謎 に進んでください。
20081003010521
この情報、買ってくれない？（笑）
かざもりはや
むむ、なるほど。自分たちで使うのではなく、売りさばいて金儲けしよう、と。
…そりゃあねぇ。あんまり便利とも思えないし…
ハッタタスに忠告しておこうかな？
ロリエーン
「じゃあ、こちらからも情報を提供するわ。その『パープレクサ』って眉唾モノよ。
ドラゴンと意思疎通を図るといっても、そもそもドラゴンなんて滅多に居ないし、
まずは希少で凶暴なドラゴンを生捕りにしなくちゃいけないのよ。
それだけでも大変なのに、単純にドラゴンを支配できるって訳でもないらしいわ。
実は私たち、モンドールの部下が『パープレクサ』を試している所を見たことがあるの。
ドラゴンを支配できなかったばかりか、反作用で泡を吹いて気絶しちゃってたわ。
ギルドなら、モンドールがどういう組織にいるのか、知っている筈よね。
『パープレクサ』が本当に有効なアイテムなら、どこかへ売りつけたりしないで
自分たちで使う筈よ。
つまりモンドールは…失敗作を処分して、研究資金を少しでも回収したいと、
そういうことみたいね。
手を出さないほうが賢いと思うわよ。」
ディアーネ
「また堂々と、モンドールの名前を出しているわね。
こうしたモノを売るには、それなりに信用のある名前が必要ってことかしら。
そうで無かったら誰も手を出さないでしょう、こんな怪しいモノ。
…結局、誰も手を出しそうに無い内容だけど…
ねぇこれ、ガンダウルフに教えてあげようか？
連絡先まで書いてあるもの、きっと喜ぶわよ。」
20081003081700
はぁ・・・
水月狼牙
楽しいけれど切ない大切な思い出ですね。
それにしてもロリエーンさんの言うとおり
あれは失敗作ですよね。
そもそもドラゴンと研究所の人を会わせられるほど
意思の疎通ができるならパープレクサなんていりませんし
確かにドローネさんも効果が発揮されるには、
お互いを理解し合う心が必要だと言っていましたし
それが出来るなら余計にパープレクサなんていりませんよね。
なによりドラゴンの力を悪いことに使おうと考えていれば
ドラゴンの方で拒否して理解し合うなんて出来ませんでしょう。
むちゃすぎです。
それにしても流石はロリエーンさんですね。
この情報ってハッタタスさんはいくらで買ってくれたんですか？
ガンダウルフ様にお知らせするのはボクも賛成です。
そもそも相手をあやつるなんていうことを
考えるのはやめて欲しいですね。
以下プレイヤー
イラストむちゃくちゃ可愛いです～♪すっごいステキです～(*^-^*)
o(^-^o)(o^-^)o o(^-^o)(o^-^)/♪
20081003152745
哀しいけれど、いい話
暁の旅人
１話とそんなふうにつながってたのか
哀しいけれど、いい話
20081003215645
イラストが見えない(無念)
ラセン
旧型ｹｰﾀｲでは重すぎてｳﾞｨｼｭﾅｽさんの顔ぐらいまでしか見えない(無念)、はっ本題
ルフィール｢何時聞いても良い話ね。みざのお母さん格好良いわね。｣
グリン｢その後村襲う愚行、オークの誇り、失った者｣
ルフィール｢今度お母さんの所へお花を持っていきましょうね、グリン、みざ｣
みざ『ぎゃ♪(うん)』
補足説明と次回以降の冒険では重要そうですが、今回の冒険内容には直接関係が…でも住所書いてるから行けますね(笑)
ルフィール｢んんん？モンドールさん？｣
グリン｢現代、闇に取り込まれ無い、精神持つ…多分｣
転んでもただでは起きない商人根性といい
文面から滲み出るお茶目さといい
大丈夫そうなモンドールさんですね。