20080909000527
クエスト003 誰が為の箱舟
柴崎@銀河企画
ウォーケンは艦内の通信回線から呼びかけた。
ウォーケン大佐「
私は少し考え違いをしていたようだ。
ベルタに乗っている諸君に頼みたいことがある。
あなた方が、世界を救う考えの持ち主であることを信じて。」
ウルチは、艦橋前部の壁にあるモニターカメラの覆いを取った。
ウォーケンにベルタの乗組員の姿が映った。
ウォーケン大佐「
・・・そこに居るのは、ライアか。
このままだと、地上の世界は全滅するかもしれない。
ザムザンの砲に貯えられたエネルギーは使い尽くした。
あとは、本体の機関部に込められているエネルギーを使うしかない。
私は、ザムザンを自爆させて、あの月、ブルガンドを粉砕し、
地上の被害を最小限に食い止めるつもりだ。
ライアと搭乗者の諸君は、地上にいる人々を一人でも多く救ってほしい。」
ライア「
ウォーケン様、待って。
もう少し、よく話を聞かせて。
ザムザンの搭乗員はどうなるの? 」
ウォーケン「
私たちのことなら心配しなくていい。
月の公転は完全に止まったわけではなく、
地上に落下するまでには半日ほど掛かるだろう。
しかし、破壊するには、近づき過ぎてからでは手遅れだ。
このため、自爆は6時間後に行なう。その前に、
アンドレシアの民に、今の事態を伝えに行く。
計算では、この艦の機関を爆発させることで、月は粉砕される。
だが、大きい破片がどういう軌道をとるかは、予測できない。
それに注意しながら、避難を進めてくれ。
海に落ちた破片は、津波を引き起こすだろう。
幾つもある大陸のうち、ウルフレンドは高地が多く岩盤が固い。
だから、世界の民を、できるだけウルフレンドに集めてくれ。
ライアよ、もし会えたら、そのときは話したいことがある。・・・」
冒険者たち「
ウォーケンさん、命は大切にしてくださいね。」
ウォーケン大佐「
ありがとう。君たちもな。
諸君らが未来から来た人々であることは、察しがついた。
これで、いったん、通信は終わりだ。」
一方、ベルタの艦内では、ルーの書を手掛かりに、
熱病に効く医薬品の合成がシステムによって進められた。
それらは、見たことのない材質の包みに入った粉として生産され、
シューターから降りてきた。
念のため、冒険者たちは自分用の包みを確保すると、
ライアは残りすべてを受け取った。
ウルチは、ライアに、ルフィールが製作したあのプレゼントを渡した。
それは、エルフ語で誓いの言葉が入った特製の髪飾りであった。
ロリエーンが、どこからか金属製の箱を見つけて持ってきた。
大きくて丈夫な箱だったので、ライアは持ち物をそれに入れることにした。
このとき、ロリエーンは、冒険者の時代のエルフ国王から託された親書を渡した。
いつかそれが必要なときが来ることを伝え、ライアは、その手紙を預かった。
こうして、ライアは、ルーの書、医薬品、髪飾りと親書を
金属製の箱に入れて持つこととなった。
ライアの竜、イリアは、ディアーネが持っているバトルアクスを見て言った。
(ちょっと、それに触らせてくれないか)
ディアーネは、喜んで斧を差し出した。
イリアが斧に頬ずりをすると、何かが変わったような気がした。
さて、それから、空母ベルタはテレシア大陸に向かった。
空母は陸地にも「着陸」することができた。
最初、ほとんどの人々は、月が落ちてくることも洪水も信じなかった。
それでも、空から降りてきたその箱舟のようなものに
興味を持った人々は、甲板に乗って、空から見る地上の景色を楽しんだ。
箱舟に乗降するため、竜たちが手助けをした。
箱舟はソルレンド大陸にも行ったが、状況は似たようなものだった。
ところが、3時間ほどが経ち、
肉眼でブルガンドの大きさがいつもと違うことが
はっきり分かるようになると、事態は急変した。
人々は、先を争って箱舟に助けを求めた。
竜は全力で地上と甲板を往復した。
グリンはオーク族に、ロリエーンはエルフ族に事情を説明した。
もはや、9つの種族の間に対立などは無かった。
甲板が満員になると、箱舟はウルフレンドに行き、高地に人々を降ろした。
その後は、どこに行っても同じだった。
箱舟は、ウルフレンドとその他の地を往復した。
未来のウルフレンドの地形を理解していた冒険者たちは、
現在の地形との違いに気づき、
未来では海になる場所に人々を降ろすことはしなかった。
そうしているうちに6時間が経った。
ライアは、どこかでウォーケンが何かを言ったような気がした。
西の空に見える巨大な月、衛星ブルガンドは、テレシア大陸の南方、
ウルフレンド大陸のはるか西方にあるベングラード諸島の上空付近で、
ザムザンの自爆によって大爆発を起こした。月は粉々に砕け、
その一部は、引き続き軌道を回り、破片は、各地に散らばって落下した。
陸地に落ちた破片は土地の形を大きく変え、海に落ちたものは大津波を引き起こした。
そのなかで、巨大な破片のひとつが、ウルフレンド大陸に向かっていた。
空母ベルタで竜たちが騒いだ。
ロックス「主砲を使うしか無いな」
主砲にエネルギーが送り込まれた。
ルフィーア「
発射ボタンは、私が押すから任せてね。
私、そういうことをする運命なの。」
元の質量の10分の1ほどもあるブルガンドの巨大な破片に向けて、
空母ベルタの主砲が発射された。
熱線条は、破片の中央を貫通し、その破片は数個の細片に割れた。
その一つは、ウルフレンド大陸とソルレンド大陸を結ぶ細長い陸地に
墜落し、その橋のような陸地部分を完全に沈めた。
もう一つは、ウルフレンド大陸の中央に墜落し、そこに穴を穿った。
破片は地下のマグマにまで達し、火山が噴火した。
火山の周囲は、ウルフレンドの内海となった。
破片の降下がおさまった後、
ライアは、熱病を患った人たちを助けに行くことにした。
ライア・イリアと、ウルチ・バァリィは、別れを惜しんだ。
一緒に歩んだ日々を忘れないことを約束し、
それぞれが歩む未来に幸せが待っていることを祈った。
金竜イリアはライアを乗せて、移民たちが集結している地点に飛んで行った。
ライアもウォーケンも、これからが本当の試練なのかも知れない。
この時代があっての我々の時代なのだから、頑張って欲しいと思った。
我々も、自分たちの時代で精いっぱい、できることをしよう。
GMからの余談であるが、後にこの戦艦を設計することとなった未来人は、
ブルガンドの墜落が起きた年を基準とした「ウルフレンド歴」を用いた。
戦艦の時計には、ウルフレンド歴が採用されていたのである。
すなわち、冒険者が経験したのは、ウルフレンド歴・元年の出来事である。
冒険者たちが艦橋に戻ると、
空母ベルタのエネルギーゲージは、ほぼゼロを指していた。
リンク「そろそろ戻りましょう。
また、この時代を訪れる日が来るでしょう。」
ルフィーアは、元の時代に戻るため、時間歪曲点復帰のボタンを押した・・・
だが、システムは、冷たい回答を返した。
「エネルギー不足です。」
「うへっ!?」
冒険者は全員、その場で固まった。
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20080909143159
あ…あれ?
水月狼牙
以下プレイヤー
あ…あれ?朝と違う展開に…
これはまたドキドキわくわくが始まりそうですね~♪
でもとりあえずは全てを救うことは出来なかったけれど
とっても壮大で素晴らしい、そしてステキで心温まる展開になりましたね。
(↑シナリオは素晴らしいのに感動を伝える私の文章のあまりにも貧弱で拙いことすいません。
私なんかじゃ文章には出来ない素晴らしさなのでご勘弁)
特に空母=箱舟とウルフレンド大陸の形成のところ好きです~♪
ライアがここに残りたかったのは熱病を患った人たちを助けたかったことも
きっとひとつの要因なのでしょうね~
優しい彼女に仲間の記念品を渡せてよかったです~
ルフィールのおかげですね~(*^-^*)
ロリエーンの深く繊細な機知のおかげで
後で複線になりそうな親書もわたせましたし
皆さん、すごすぎです~\(^▽^)/
そういえばディアーネのバトルアクスも
どう変わったのか楽しみですね~♪
主砲を打つタイミング、ロックスも素晴らしい判断です~(*^-^*)
すっごくスケールが大きくってダイナミックで
そして優しい気持ちが大切にされているステキなシナリオに関われて
とっても嬉しいです~♪
さて今度はエネルギー問題ですね~
使えなくなった神々の箱舟はアラッテ山に置いておきましょうか~?(*^-^*)
今度はドラゴンで冒険でしょうかね~♪
それにしても、この事件を受けて戦艦って作られてたんですね~
ということはこの過去の未来に作られて、この過去の過去へ送られた?!
うーん、ということは戦艦は邪魔物でも脅威でもなく
この危機を回避するためにあるべき存在だったんですね♪
えーと、でもそうすると…過去の未来は存在していた?!
そ…それはさておき歴史が途絶えずにすんで本当に良かったです~(*^-^*)
とりあえず、プリンでも量産して仲間を元気付けて黒燿球探しすることになるんでしょうか(*^▽^*;)
アントンの黒燿球が一番近いでしょうか。ロックスすごい先見の明です~♪
・・・ガーラさんの指輪がエネルギーのリサイクルマークをあらわしているとしたら
使えるんですけれどね~♪
あ、ライアとかウォーケンに帰れなくなったこと言って協力してもらうとかは…
感動の打ち明け話があるし色々と忙しいのに迷惑ですよね…やっぱり自力で頑張らないと\(^▽^)
以下キャラクター
さすがに、この残量では無理でしたか…
主砲を打ったり、あれだけ各地を巡ったのですから
あたりまえといえばあたりまえですね。
プリンをいっぱい作りますから気分を変えて
アントンの黒燿球でも探しに行きましょう。
甘いものは脳にいいので良い知恵も浮かぶかもしれませんよ♪
あぁ、いっそプリン・ア・ラモードもいいかもしれませんね。
何かリクエストがあったら言って下さいね♪
・・・そういえば、システムさんはとっても物知りですよね。
これは、どんな力があるかわかりますか?
(ガーラさんの指輪について尋ねます)
20080909215803
祝乗組員さん復活♪(>◇<)♪…ですが、あれ?
ラセン
ルフィール「亡くなったたくさんの命に安らぎを、でも何の神に祈れば良いのかしらね」
グリン「神、まだ存在せず、やがて神生む、大地に祈る」
ルフィール「落ちた月にも安らぎを…ごめんなさい、人の所為で」
グリン「…誰か、何か、苦しい声、聞こえた気、する」
タム(GM)様、ロリエーン嬢&ディアーネ姫、リンク君、ロックスさん、ルフィーア嬢、ウルチちゃん、ありがとうございました。おかげで何とか生き延びる事が出来ました。ここまでの大事件、史実になるとは思ってもみませんでした。
ルフィール「わーい♪リンクさんありがとう♪プリンにクリームに果物だぁ♪うん食べて頑張ろう♪」
ルフィールがどんどん食いしん坊キャラになって行くのはルフィーア嬢の親戚だからと言う事にしておいていいでしょうか(汗)生きる事と食べる事が同意義な11才育ち盛りです。
グリン「システム問う、現在、黒燿球の位置、念の為、他の艦の位置、もし、いるなら」
グリンはもっと格好良いと思って下さい(泣)
乗組員さん復活でよろこんでいたらいきなり帰宅難民になっていました(笑)
て海上に墜ちた艦の乗組員さんもゆっくり沈没していたから何とか生きていたら良いなぁと思います。
でも無駄に一番気になるのはライア嬢にあげた髪飾り。
多分自分の出生等でまたエルフに会うと思われますので。もし裏の文字が見つかったら
大爆笑間違い無しっ
(〃д〃)エヘッ
…ロリエーン嬢の文章なのも判るだろうなぁと(笑)
20080909224513
ピンチじゃん
暁の旅人
エネルギー切れだと食事も作れなくて
ぜったい絶命のピンチじゃん
20080910012226
あーあ。どうしよ?
かざもりはや
えーと。
まず、ザムザンのクルーとウォーケンは、生きているんですか?
助かったのなら、それはそのほうがいいのですが…
艦を設計する未来人?
これらの艦は超古代文明の遺産の筈ですが…
かつて闇と戦い、月を落として地軸を捻じ曲げた戦力の生き残りですよね?
これらの艦船が未来で作られたものだとしたら、未来の人たちは設計をする必要も無く、
しかしこの間と寸分違わぬ物を作らなくてはいけないことに…
や、ベルタは生き残ってるんだからそのまま過去に送ればいいだけで、
そうなると誰もベルタを作っていないということに…
どちらにしてもパラドックスの元だと思います。
ところで、大陸の形すら変わってしまったウルフレンド。
わざわざここで避難民たちが生きていかなくてはいけない状況になったということは、
別の大陸もまた酷いダメージを受けていたということでしょう。
曲がりなりにも帆船による大陸間航行を可能とし、気球によって航空技術すら
確立しつつあった文明は大半が失われたと考えるべきでしょうか。
それでは世界は、ほとんど滅びてしまっているに等しい、ということに…
とても喜べません…
…或いは、今はまだ文明は保たれており、私たちが去った後、動き出した「闇」と
ライアたちの間で最終決戦が繰り広げられ、この時点での文明はその時改めて滅び、
衰退してしまうと考えるべきなのでしょうか。
…だってこの時点で文明が失われて世界が退行するほど酷い有様になっていたら、
たとえエネルギーが十分であっても、人々を見捨てて未来へ帰る訳にはいきません。
で、ロリエーンは一応予定通り、ライアに渡した箱に、空っぽの黒燿球を隠します。
親書は…ここで渡してしまうとパラドックスになって、誰も書かなかったことに
なりかねませんが…
まぁ紙切れですし。何千年も保存が利くとは思えないので、経年劣化で自然と破れてしまい、
時のエルフ王が同じ内容を書き写して伝えた、とか…
さて、エネルギー不足。ベルタは落ちますか?
これが落ちると言う事は、アントンが沈んだ海域までドラゴンで飛んで行くってこと?
大丈夫でしょうか、人が騎乗したままの大陸間移動になりますよね?
別の交通手段を確保するとか…自爆したザムザンから、黒燿球が落ちてきてませんか?(笑)
ロリエーン
「おおかたルフィーアあたりが、主砲にエネルギーを注ぎ込み過ぎたんでしょう。
ま、百年も待てば黒燿球にエネルギーが溜まるんだし。のんびり待ちましょ?」
ディアーネ
「エルフの感覚で考えてもらっては困るんだけどっ。何とか帰りの分のエネルギーを
確保しなくては…」
そういえばエミルはどうなったんだろう。
戻ってこなかったということは時間歪曲点再通過の機能を使うことが無かったということ。
…いよいよ未来に居続けているのかなぁ…
あと、リンク。
「また、この時代を訪れる日が来るでしょう。」って、ダメだってばそれは。
過去には不干渉!これはクラーク・ケントの昔から決まってる大原則だってば!
20080910074834
皆さん、ステキです♪
水月狼牙
ロリエーンさん、だからそれは、まだ片付いてない問題があるかもしれないからで…とか
えーと、すでに干渉することが未来を守っているわけで…とか…あわあわあわ(^-^;)>
ルフィーア、ボタンを押すのは重い役目ですから
それを決然と引き受けてくれる姿は
とても凛々しくて美しいと思いますよ。
ルフィールも亡くなった方々を思う優しい気持ちがとてもステキだと思います。
プリンは沢山ありますから2人とも
よく味わってたくさん食べてくださいね。
ロックスさん、大丈夫です。
ボクはデザートなら、どこでも何もなくても作れる特殊スキルがあるんです。
(なんちゃって^σ^;)