ゲームデザイン:鈴木銀一郎
イラスト:九月姫
かつて、光と闇は激しく争っていた。
最後の戦いで光のプリンセスは7つの宝石の力を借りて闇の大王に勝ち、光が闇に優先することとなった。
光のプリンセスは、地中海の火山島ブルガンディの王であるアシャディに命じ大聖堂を建立させ、7つの宝石を納めさせた。
それ以後、宝石はソフィア聖騎士団の7人の戦士に守られ、この世に光は絶えなかった。
ところが或る時、巡礼に変装した魔道師ディオシェリルが宝石の1つを盗み、闇の大王に引き渡した。光の絶対的な優位は崩れ、闇の軍団が力を得て光の仲間たちに兆戦するようになった。
このゲームは、その光の仲間たちと闇の軍団との争いを表している。プレイヤーは、光の仲間たちか、闇の軍団か、どちらかの立場を選んでプレイを行う。しかし、光の仲間たちを選んだつもりでも、いつしか闇からの囁きに誘われ、気がつくと闇の側に立っていたりすることがあるから、ご用心。
(1) プレイの人数
2人から8人までプレイできます。
(2) 手札、山札、場札
「闇の地下牢」のカードを抜き出して、中央に置きます。残りのカードをよく切り、各自に5枚ずつ配ります。これが手札になります。手札の中に「聖騎士」か「宝石」のカード(どちらにも青い†のマークが入っています)があったら、表にして自分の前に置きます。これを場札といいます。残ったカードは裏のまま中央に置きます。これが山札となります。
(3) 順番
ジャンケンかダイスで順番を決めます。1番の人が決まったら、後は右回りにプレイを進めます。順番が変わったり廻り方が変わったりすることはありません。
「聖騎士(名前が青で記されています)」「モンスターメーカーの仲間(名前が黒で記されています)」「闇の軍団(名前が赤で記されています)」の3種類があります。「聖騎士」と「モンスターメーカーの仲間」は、合わせて「光の仲間たち」と呼びます。
戦闘のときに使用します。魔法の名前が紺色で記されています。
ゲーム終了時に、これを一番多く持っていたプレイヤーが勝ちます。手に入れるには、最初に配られるか、自分の手番に山札から引いてくるか、あるいは他のプレイヤーに攻撃をかけて奪うかしなければなりません。
1. 手番が来たプレイヤーは、山札からカードを1枚引きます。
2. ? それが「宝石カード」だったなら、必ず自分の場札として手元に出しておかなければなりません。「聖騎士カード」だったら、自分の場札として出すか、あるいはすぐに中央の「闇の地下牢」に送り込んでしまうかしなければなりません。どちらにするかは、次の3.によります。この2種類のカードは、手札として持っていることはできないのです。
3. 自分が、「光の仲間たち」と「闇の軍団」のどちらのサイドになるのかを宣言することができます。自分の場札がまだ何も出ていなければ、手札の中からどちらかのサイドのカードを(何枚でも)場札として出すことで、その宣言とします。2つのサイドのどちらか1種類だけしか出すことができません。1人のプレイヤーの場札は、あるとすれば、常にどちらか1種類だけの札で構成されていなければなりません。何も出さずに中立を保つこともできます(以下、「中立」といいます)。既に場札を出してある場合も、それらを捨て札として新たに別サイドの自分の場札を出すことで、立場を変えることができます。また、既に出してある場札を捨て札とするだけで新たな場札を出さず、「中立」になることもできます。サイドを変えるときは、“チェンジ・オブ・ハート(変心)”と宣言します。捨て札となったカードは、そのゲーム中は二度と使用されません。但し、「聖騎士」は、捨て札となる際に中央の「闇の地下牢」に送り込まれます。
4. 次に、以下のアクションのうち1つを行うことができます。
(1) 自分の場札に手札を加えて、他のプレイヤーの場札を攻撃できます。場札を出していないプレイヤーに対しては攻撃できません。「宝石」を持っている相手を攻撃して勝った場合は、それを全て奪って自分のものにすることができます。場札を出しているプレイヤーは、攻撃を受けたら回避することはできません。
(2) 「闇の地下牢」に捕われている「聖騎士」を救出に行くことができます。救出に行けるのは、「モンスターメーカーの仲間」だけです。「闇の地下牢」を打ち破ることができると、捕われていた全ての「聖騎士」が自分の場札となります。
(3) シーフカードを使って、他のプレイヤーが持っている宝石カードを1枚盗むか、「闇の地下牢」に捕われている「聖騎士」を一人救出させるかを試みることができます。シーフカードは使い捨てですので、成功しても失敗してもその後で捨て札となります。
(4) 手札の中から何枚かを場札に出して自分の場札を強化します。場札として出る可能性のあるカードは、「聖騎士」「モンスターメーカーの仲間」「闇の軍団」それに「宝石」の4種類ですが、そのうち「宝石」と「聖騎士」は、カードが来た2.の時点で、すぐに場札として出すか「闇の地下牢」に送り込む(「聖騎士」の場合だけ)かしていますので、このとき出すのは「モンスターメーカー」か「闇の軍団」だけになります。
(5) 以上で手番は終了しますが、そのときに手札が5枚以下になっていなければなりません。つまり、山札から1枚引いてきた時点で6枚になっていたら、必ず何かのアクションを行わなければならないのです。手札を捨て札して5枚以下にすることはできません。
手番のプレイヤーが「光の仲間たち」のサイドに立っている場合、同じ「光の仲間たち」サイドに立っている別のプレイヤーを攻撃することはできません。攻撃できるのは、「闇の軍団」サイドか「中立」のプレイヤーに対してだけです。「闇の軍団」サイドに立っている場合は、「闇の軍団」「光の仲間たち」「中立」のいずれのプレイヤーに対しても攻撃をすることができます。「宝石カード」だけを場札として出している「中立」プレイヤーが攻撃された場合、相手が「闇の軍団」であるときは、「闇の軍団」か「光の仲間たち」を場札として出して防御できます。相手が「光の仲間たち」であるときは、「闇の軍団」を出して防御できます。このとき、防御のための新たな場札を出さないこともできます。そうすると戦闘は、自動的に攻撃側の勝利になって、持っていた「宝石」は奪われることになります。
(1) まず、攻撃する手番のプレイヤーが自分の場札の全て(「宝石」を除く)と手札の中から好きなだけのキャラクターカード、及び、もし使用したければ魔法カードを1枚、場に出します。魔法カードは裏返して出してください。
(2) 次に、防御するプレイヤーが手札の中から好きなだけのキャラクターカードを出して、攻撃を受ける自分の場札に加えることができます。魔法カードを使いたければ裏返して1枚出すことができます。
(3) 互いに魔法カードを公開してそれを使用します。
(4) それぞれダイス1つを振って、先攻を決めます。数の多いほうが先攻です。
(5) 先攻プレイヤーは、自分のキャラクターカードの中から1つを選んで、それで相手のキャラクターの一つを攻撃します。攻撃は、普通の攻撃と魔法とがあります。普通の攻撃の攻撃力、防御力はこの順番で左から順に黒の数字で記されています。Dはダイスという意味です。2Dだったらダイスを2つ(又は2回)振って、出た目の合計数が攻撃力ということです。2D+3なら、それに3を足した数が攻撃力になります。魔法力は同様にして赤の数字で記されています。どちらの力を使っても構いません。相手の防御力以上の数が出れば成功です。敵は倒されて捨て札となります。「聖騎士」が倒されたときには、捨て札ではなく「闇の地下牢」に送り込まれます。
(6) 次に後攻プレイヤーが同じようにして攻撃を行います。
(7) こうして、攻撃を行わせる前に倒されてしまったキャラクター以外は、全てが1回ずつ攻撃し終わるまで、交互に攻撃を行います。片方の参加キャラクターの数がより多かった場合、少ない方が全て攻撃を終わった後は、多い方は、まだ攻撃を終えていないキャラクターで一方的に攻撃することになります。これで1ラウンドの戦闘が終了します。
(8) 次のラウンドが開始されます。双方とも、手札から好きなだけ新たにキャラクターを加えることができます。また、魔法カードを使いたければ、再びそれぞれ1枚ずつ出すことができます。
(9) このように戦闘ラウンドを繰り返していって、どちらか一方が全て倒されるまで戦いは続きます。
(10) 宝石を持っている防御側プレイヤーが負けたとき、その宝石は全て攻撃側プレイヤーのものになります。攻撃側プレイヤーが負けた場合は、出したキャラクターが全て倒されたというだけで、例え宝石を持っていたとしても、防御側プレイヤーに奪われることはありません。
(11) 一度場札として出してしまったカードは、手札に戻すことはできません。戦闘後に残ったキャラクターカードは、全て自分の場札となります。
(1) 「闇の軍団」を相手にする場合、まずオークやモンスターを倒してからでなければ、黒魔道士、闇の騎士を攻撃できません。同様にして黒魔道士、闇の騎士を倒してからでなければ、闇の大騎士を攻撃することはできませんし、闇の大騎士を倒してからでなければ、闇の女王を攻撃することはできません。
(2) 「闇の軍団」のオークカードが2枚以上参加している場合、それらの攻撃力をすべて足して、1つの攻撃力として使うことができます。「1D+1」と「1D」のカードがあれば、「2D+1」として攻撃できるわけです。防御するときには、それぞれ1枚のカードとして攻撃されます。防御力を足して守ることはできません。
(3) あるカードでは、あるカードを攻撃しても絶対に倒すことが不可能な場合があります。例えば、1Dの攻撃力では、防御力7以上のカードに対しては効果がありません。そんなときは、ダイスを2つ振り、ダイスの目が2つとも6の場合は、どんな相手でも倒すことができるものとします。それ以外は、攻撃失敗となります。
(4) 魔法カードの「ホリーライト」は、「光の仲間たち」プレイヤーしか使用することができません。
(5) 「聖騎士」には、それぞれ対応する宝石があります。ロクサーヌにはダイアモンド、カサンドラにはルビーという具合にです。戦闘になったときに、聖騎士とそれに対応する宝石を場札として持っていた場合、その聖騎士の力は強化されます。通常の戦闘であろうと魔法であろうと、攻撃であれ防御であれ、常に+1だけ有利になります。
戦闘をしているプレイヤー以外にも、カードを出して加勢することができます。戦闘ラウンドが始まる毎に(一番最初でも構いません)キャラクターカードか、魔法カードを出して援助してやることができます。出せるのは手札からだけです。場札として既に出してあるカードから加勢させることはできません。
また、「光の仲間たち」サイドのプレイヤーに対しては、「光の仲間たち」プレイヤーか、「中立」プレイヤーしか援助してやれません。同様に「闇の軍団」に対しては、「闇の軍団」か「中立」プレイヤーしか援助できません。
加勢したキャラクターが戦闘に生き残った場合、そのキャラクターは、援助されたプレイヤーの場札となります。援助したプレイヤーには戻ってきません。
闇の地下牢に捕われの身となった聖騎士たちを救出に行けるのは、「モンスターメーカーの仲間」カードだけです。つまり、そのときプレイヤーは、「光の仲間たち」サイドに立っていなければなりません。救出は、「モンスターメーカーの仲間」による闇の地下牢に対する攻撃となります。後は、普通の戦闘ルールに従って攻撃を解決します。先攻後攻も決めますし、魔法カードを使うこともできます。
「闇の地下牢」は、そのとき手番のプレイヤーからみて一番早く手番が廻ってくる「闇の軍団」サイドのプレイヤーが代わりにダイスを振ります。攻撃が成功すれば捕われていた聖騎士はすべて、救出を行ったプレイヤーの場札にすることができます。「闇の地下牢」カードは負けても捨て札にはなりません。空の状態でそのまま中央に置かれているだけです。
他のプレイヤーが加勢することもできます。救出に行くプレイヤーに対しても、闇の地下牢に対しても可能ですが、6章の他のプレイヤーの加勢のルールに従って行います。闇の地下牢は、闇の軍団サイドとして扱います。
闇の地下牢に「闇の軍団」キャラクターの加勢がついた場合は、そのキャラクターを倒してからでなければ、闇の地下牢を攻撃することはできません。「闇の軍団」キャラクターのなかの優先順位は、5章3の戦闘の細則に従います。闇の地下牢に「闇の軍団」キャラクターの加勢がついて、闇の地下牢が戦闘に勝ち、「闇の軍団」が生き残った場合は、そのキャラクターは地下牢についたままになります。
シーフは、「モンスターメーカーの仲間」です。ですから、これを使用できるのは「光の仲間たち」か「中立」のプレイヤーだけです。シーフは常に手札となります。場札として出すことはできません。シーフは一度に1枚だけ盗みか救出のどちらか1つの任務だけに使用できます。シーフカードは使い捨てです。成功しても失敗しても捨て札になります。盗みとは、他のプレイヤーの持っている宝石を一つだけ盗んで自分の場札にすることです。これは、どんな立場にいるプレイヤーに対しても実行できます。つまり、シーフは「光の仲間たち」に属していますが、同じ「光の仲間たち」に対しても盗みだけは可能なのです。救出とは、闇の地下牢に捕われている聖騎士の一人を脱出させて、自分の場札とすることです。どちらも、ダイス1つを振って、記されている数以上が出れば成功です。
深きものの囁きとは、自分の意思とは関係なく、サイドを変えなければならない事態のことです。手番が廻ってきて山札から1枚を引き、手札が6枚となった場合、必ず何かアクションを行って手札を5枚以下にしなければなりませんが、自分が「光の仲間たち」であり、他のすべてのプレイヤーが「光の仲間たち」か「中立」のため攻撃できない場合があります。手札のなかに「光の仲間たち」があれば、それを場札として出すことで手札の数を減らせます。また、シーフカードがあってそれを使用できれば手札を減らせます。しかし、手札が「闇の軍団」か魔法カードしかなくて、こうしたことができない場合は、サイドを「闇の軍団」に変えることで手札を減らさなければなりません。場札として出していた「光の仲間たち」をすべて捨て札とし(聖騎士だけは闇の地下牢に送られます)、「闇の軍団」を場に出すことになります。そのときは“チェンジ・オブ・ハート”と宣言します。
反対に、自分が「闇の軍団」で、他のすべてのプレイヤーが「中立」で場札も出していないために攻撃ができないときもあります。そんなときに手札が「光の仲間たち」か魔法カードしかない場合は、“チェンジ・オブ・ハート”と宣言してサイドを「光の仲間たち」に変えて手札を減らすしかありません。手札が魔法カードだけで“チェンジ・オブ・ハート”の宣言すらできない場合のみ、カードを1枚捨捨て札にすることができます。このときは、他のプレイヤーに手札を公開してから、捨て札を行います。
ゲームは、すべての宝石(7枚あります)とすべての聖騎士(7枚あります)が山札から引かれて場に出たときから数えて2巡(2回順番が廻ってくる)すると終了します。2巡する途中で山札がなくなったとしても、新しい山札を作ることはしません。ゲームが終了した時点で、一番多くの宝石を持っていたプレイヤーが勝ちます。
1位のプレイヤーが「光の仲間たち」なら、2位は同じ「光の仲間たち」で2番目に多く宝石を持っていたプレイヤーになります。「闇の軍団」は例えその2位のプレイヤーより多くの宝石を持っていても負けとなります。同様に、1位のプレイヤーが「闇の軍団」なら、2位は「闇の軍団」プレイヤーの中から選ばれます。「光の仲間たち」は負けです。
もし、「光の仲間たち」と「闇の軍団」プレイヤーが同数の宝石で1位を争った場合は、「光の仲間たち」の勝ちとします。「光の仲間たち」どうしが同数の宝石で1位を争った場合は、聖騎士とそれに対応する宝石の組み合わせの多い方が1位となります。それも同数のときは聖騎士の数が多い方、それも同数なら引き分けの1位です。「闇の軍団」どうしが1位を争う場合は、より上位のカードを持っているプレイヤーの勝ちとします。上から順に、「闇の女王」「闇の大騎士」「闇の騎士」「黒魔道士」です。これも同位同数の場合は引き分けの1位となります。
発売元 翔企画、 著作権保有 禁無断複製
Copyright (C) 1989 Show Kikaku & Kugatsuhime, All Rights Reserved